セックスマスター

・・・3・・・

 男たちに休む暇はない。女は次に大きな保護材をとりだした。透明のシートには無数のぷちぷちが付いている。

「さあ、次はこれだよっ。」

男たちは、期待して女の言葉を待った。
「お前の利き腕はどっちだい?」
宇津井健を指さし、女は尋ねる。
「み、右です。」
女は大きくうなずくと、宇津井健の右腕を持ち上げ、中指を突き出させた。女は宇津井健の手の甲をしっかりと握り、保護材のぷちぷちの一つに指をあてさせると、くるくるっとまわさせ、一気に押した。

ぷっちん

小さな玉は、心地よい音を立ててつぶれた。
「今のをちゃんと見たね?」

「これはおんなのクリトリスさ。ここを責めなきゃ、女はマタを開かないよっ。」

男たちは、我先にと机に群がり、中指を突き立てた。

ぷちっ、ぷちっ、ぷっちん、ぷっちん、ぷちっ、ぷっちん、ぷっちん、ぷちっ、ぷちっ ぷちっ、ぷっちん、ぷちっ、ぷっちん、ぷちっ、ぷちっ、ぷっちん、ぷっちん、ぷちっ、ぷっちん、ぷっちん、ぷちっ、ぷちっ ぷちっ、ぷっちん、ぷちっ、ぷっちん、ぷちっ、ぷちっ、ぷっちん、ぷっちん、ぷちっ、ぷっちん、ぷっちん、ぷちっ、ぷちっ ぷちっ、ぷっちん、ぷちっ、ぷっちん、ぷちっ、ぷちっ、ぷっちん、ぷっちん、ぷちっ、ぷっちん、ぷっちん、ぷちっ、ぷちっ ぷちっ、ぷっちん、ぷちっ、ぷっちん……

はじけるような音が乱れ鳴る。

 男たちはとうとう、すべての玉をつぶし終えた。男たちの胸にさわやかな達成感がみなぎる。
「よし、それでいいっ。」
女は男たちを褒め称えた。

 

 女が次に取りだしてきたものは、輪ゴムと洗濯ばさみ、そして糸こんにゃくだった。

 女は、男たちを立たせると、強引にズボンとパンツをおろした。

ぺろんっ

男たちのイチモツが飛び出る。女は男たちを二人一組で向かい合わせに立たせると、慣れた手つきで、それぞれのイチモツに輪ゴムをはめ、洗濯ばさみで糸こんを止めていく。

 向かいあわせの男たちは、糸こんによってつながれた。

「さあ、準備はできたよっ。お前たち、お互いに引っ張りあいな。」
男たちは女の顔を振り返る。

「なんだい?意味がわからないのかい?」
ビシッ

「ここまで来といて、だらしのないヤロウだねっ。まさか前戯だけで、お腹いっぱいなんて言うんじゃないだろっ?お前たちの目的はっ?」
「射精ですっ。」
慌てて男たちは叫ぶ。

「そうだ。そのためには、出し入れしなくちゃいけないだろうがっ。」
女はイライラしながら怒鳴った。

「でも、ただ出し入れするだけで、女が満足するって思うんじゃないよっ。」
ビシッ
「相手の呼吸とぴったり合った腰使い、これができなきゃ、ただのオナニーだよっ。」
男たちは、向かいの男のマスクから見える目を見つめながら、ゆっくりと引っ張り合い出した。


ぱちん


洗濯ばさみから糸こんが外れる。
ビシッ
「やりなおしっ。」

ふん、ふん、鼻息を鳴らしながら、男たちは腰を前後し続けた。最初は緩んだり張られたりしていた糸コンが、直線を保ちながら、男たちをつなぎ始めていた。
ビシッ
「やめっ。」
女はゆっくりと男たちの見回しながら言った。
「よくやったね、お前たち。だいぶセックスマスターに近づいたじゃないかっ。」

男たちは互いに目を合わせる。表情はマスクで見えないが、目はあきらかにうれしそうに笑っている。男たちはパンツとズボンをあげて、イスに腰掛けた。

「今日の講義はここまでだよっ。次は来週金曜日だ。しっかり復習してきなっ。」

男たちは順番に部屋を出て、マスクをはずした。

 宇津井健こと中年の男は、汗だくの頭をなでた。ビルの外に出ると、さわやかな風が男の顔にあたった。

男はビルの方へ振り返ると、三階の窓を見つめた。

「よしっ。」

手には会員証が握りしめられていた。

 

終わり

 

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